エージェントレス・データバックアップとは何か。なぜゲームチェンジャーなのか。

何か新しいサービスやプロダクトを目にしたとき、「素晴らしいアイデアだ!なぜ思いつかなかったのだろう?」と思う方も多いのではないでしょうか。これは、エージェントレスのデータバックアップおよびリカバリソリューションについても同様です。

エージェントレス・バックアップはその名が示すように、バックアップの対象となる各サーバ、デスクトップまたはモバイル機器上にソフトウェアエージェントをインストールする必要がないデータバックアップソリューションです。

ご存知のように、従来のデータバックアップ/リカバリソリューションではすべてのデバイス上に個別にソフトウェアをインストールし、再起動によってインストール手続を完了しなければなりません。しかし、たとえばバックアップの対象となるサーバが基幹システムで再起動の難しい古いオペレーティングシステムを利用している場合、エージェントレスソリューションであればソフトウェアのインストールが不要であり、問題にはなりません。エージェントレスソフトウェアはVSSなどの標準Windows API、またはVMwareのVADPを使用して、ネットワーク上で接続されているマシンから段階的にバックアップを開始します。バックアップされるデータは制御システムからバックアップ用に準備されます。制御システムはその後VSSまたはVADPと通信し、リモートのバックアップサーバに制御マシンインターフェイス経由で同じボリュームとフィードのスナップショットを作成するよう要求します。仮想マシンと物理マシンは、同じ方法で完全なリカバリが可能です。

では、データセキュリティはどうでしょうか?今日、ほとんどのIT関連の会話においてセキュリティが一番の話題になっています。そんなデータセキュリティの観点から、まず始めにエージェントベースのソリューションについて説明しましょう。テープバックアップ、あるいはD2D(Disk to Disk)のいずれの場合であっても、バックアップ/リカバリソリューションをともなうエージェントの利用はデータセキュリティ、復元可能性およびコストに直接影響します。IT管理者は、エージェントベースソリューションを利用する上での注意点について理解しています。たとえばファイアウォールの一つのポートをすべてのエージェント向けに開放しなければなりません。「全てのエージェント」です!ほとんどのエージェントには管理者権限があるため、サーバアーキテクチャに実質的な脆弱性をもたらすことになります。これでは良い考えとは言えません。ハッカーはエージェントに侵入するだけでサーバーを攻撃できるようになってしまいます。転送中(in-flight)の暗号化は限定的なものであり、リモートオフィスからデータセンターへの転送の間、エージェントはデータをリスクにさらすことになります。エージェントレス・バックアップソリューションではエージェントによるセキュリティリスクを誘発せずに、顧客データを転送中(in-flight)も保存後(at-rest)も暗号化します。

次に、バックアップ対象となるサーバやデバイスのCPU負荷は影響を受けるのでしょうか?エージェントレス・バックアップではサーバ管理ソフトウェアはホストシステム上にインストールされずホストCPUは使用しないため、CPU負荷は最小限となります。反対に、ソフトウェアエージェントはデータ複製、圧縮、暗号化などの要求されたタスクを遂行するためにホストのCPUを使用します。タスクが多いほどCPUの使用率が高くなり、ホストシステムが急激に遅くなったり、あるいは急停止を招く恐れがあります。

バックアップインフラ全体のコストはどうでしょうか?企業環境におけるソフトウェアエージェントの管理は、現実に様々な問題が発生する可能性があり、管理するソフトウェアの数が多いほど、こうした可能性が高まります。さらに、サイト、データ、アプリケーション、ユーザ、システム、エージェントの数が増えるほど、管理は難しくなります。インフラの規模と複雑性が拡大するにつれて、問題の診断により長く時間がかかるようになります。オペレーティングシステムの更新(現在は多くの企業で毎月実行)により、バックアップエージェントの増殖などアプリケーション間でコンフリクトが生じる機会が増えます。事実、バックアップエージェントはITリソースを枯渇させ、破壊的なダウンタイムの原因となり、最終的にはデータ復元可能性の確実性を低下させます。

今日では、エージェントレス・バックアップはバックアップ/リカバリクラウドサービスの第2の波として採用が進んでいます。これは、データバックアップおよびリカバリに大きな変革をもたらします。これまでの市場は、古いクライアント-サーバネットワークモデルに基づくソリューションを開発していたテープあるいはD2D(disk to disk)製品メーカーが主流を占めていました。今やクライアント-サーバモデルは永久に、クラウドコンピューティングにその姿を変えようとしています。クラウドの採用は業界とソリューションによりますが、ある分野では他の分野よりも早く進んでいます。従来のデータバックアップ/リカバリ市場では、変化は遅いものでした。当初のクラウドには利点もありましたが、急激な変化を起こすには不十分だったのです。しかし、DR/BCP市場の最近の進化はデータバックアップ市場に火をつけ、従来のデータバックアップソリューションの提供事業者はその熱を感じているでしょう。

COLT (旧KVH)は、ブルーシフトとのパートナーシップを通じ、日本で唯一となる「エージェントレス・バックアップ」ソリューションの一つを提供しています。テープまたはD2Dバックアップソリューションを提供する他のベンダーではソフトウェアエージェントのインストールが必要であり、上記で説明した問題が生じる可能性があります。